どうしようもなく辛い、
一人は寂しい、
そんなときは決まって、
『ほんとうの愛ってなに?』
って思う。
一人が怖い。
でも、一歩踏み出す勇気がない。
わたしはどこにいっても日陰者で、
太陽にはなれないから。
でも、時折考える。
わたしの見ている景色は、太陽だらけなのか?
って。
わたしの見ている太陽は、偽物なんじゃないか?
って。
そんなことは確かめようがない。
もどかしい、苦しい。
誰かに助けてほしい。
でも、わたしはこの本のおかげで少し楽になれた。
偽物だっていい。
そう伝えてくれた気がした。
太陽のおかげで、
影ができるから。
そう伝えてくれた気がした。
誰にも邪魔されず、
自由で、
それでいい。
わたしのことを理解してくれる人がいれば、
それでいい。
それがわたしなりの、
愛の形、
なのかもしれない。
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きょうの一冊 『流浪の月』
凪良 ゆう
創元文芸文庫