ゆるキャン△(1)

導入

一人キャンプ、通称ソロキャンをこよなく愛する女子高生リン。そんな彼女が富士山のふもとでソロキャンに興じていたところ、ひょんなことから、自転車で富士山を見に来たという女の子、なでしこと出会う。

疲れて横になったら寝過ごしたという彼女にとって、帰ろうにも夜が更けて真っ暗闇が包むトンネルを抜けることは至難の業。

りんが家に電話するよう提案するも、着の身着のままlikeな格好で家を飛び出してきた彼女の持ち物は、スマホ……ではなく、トランプ(52枚セット) 。

軽い遭難状態/ひどい空腹状態のナデシコに一問答ありながらもカップラーメンを渡したことが、これから始まるゆるキャンへの第一歩となる──

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キャンプブームの火付け役ともいえること本作は、ソロキャンを愛するリンと、そんな彼女とは対照的ななでしこを描くことによって、ソロキャンor notのアンビバレンスな魅力を楽しめるつくりとなっている。

だからといって、お互いが対立しあうというわけではないのが、本作の重要なところでしょう。

ソロにはソロの魅力、マルチではマルチの魅力を、もちつもたれつをいい感じに描くことができているのも、『ゆるキャン△』という名前の通り、お互いがお互いの価値観に歩み寄ることができるほどの心の余裕、ないし、ゆるーい関係性のたまものなのでしょう。

読めば読むほど、キャンプの魅力に取りつかれていくこと請け負いの一冊。

作者: あfろ
芳文社

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