今夜、世界からこの恋が消えても(1)

正の走光性に満ちあふれた一冊。

光を見失った人へ捧ぐ『英雄奇譚』。

誰しもが、立ち止まり、戸惑い、そして、もがき苦しむ。

そんな苦悩や、また幸福も、時間の経過とともに薄れ、悠久の片隅へおいやられる。

忘れちゃいけない、思い出さなきゃいけない。

理由はわからないけど、それらがわたしを彩っているものだと皮膚感覚が伝える。

でも、その行動は後ろを振り向くためじゃない。

前へ前へと、進むためだ。

 

めちゃくちゃ泣いた。

本を読んで泣いたのは久々。

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