奇をてらったアイデアに潜む日常の気づき。それは類まれなる巧妙さでもってして描かれ、あり得たかもしれない有史以来の世界線がこの地球上のどこかに本当に存在しているのではないだろうかと思わずにはいられなかった一冊でした。
前作よりも全体として文章に柔らかさが帯びており、起承転結もくっきりしていた作品が多かった印象で、読んでいて小説らしい心地よさを感じました。そういう意味で、前作の刺々しさに慣れてしまったと言えばそうかもしれません😅
こういうアイデア構造を切り売りするタイプの本を読んでいる時は決まって、なぜだか荒涼たる思いにかられ、次の作品を読むときに何とも言えない不安に駆られることがあるのですが……そんな不安を忘れさせてくれるほど新しい発見の数々が七色の宝石箱のように詰まっていました。
次回はどんな景色を見せてくれるのか、すごく楽しみです☺️