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投稿一覧
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【読書ログ】流れよわが涙、と警官は言った【万人に愛されるべき一冊】
に公開自分だけが忘れ去られた世界で、自分を証明するには一体どうすればいいのだろうか。
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【読書ログ】虎よ、虎よ!【復讐にとりつかれたものの行き先は、希望か、絶望か】
に公開これはすんごいSF。物語に散りばめられた無数の小さなアイデアは混沌とした様相を呈しながらも一つにまとまり、鋭く小気味の良い文体は序盤から終盤に至るまでいっさいの隙がない。
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【読書ログ】スキズマトリックス【知識こそパワーな放浪物語】
に公開丸善ジュンク堂書店限定版を見かけて購入。
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【読書ログ】ネクサス 上【ポストヒューマンはよりよい世界を導けるのか】
に公開ディストピアものとして著名な、『すばらしい新世界』『一九八四年』『華氏451度』のときもそうだったけど、技術しかり権力しかり一極集中させるとろくなことにならんですな。
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【読書ログ】われはロボット決定版【AIロボット物語の金字塔】
に公開SFの題材として頻繁に取り上げられ、いまや現実世界においても日に日に存在感を増しているロボット。
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【読書ログ】クララとお日さま【AIロボットの視点を通じた人間の構造解析】
に公開AIロボット×カズオ・イシグロ。死×シニリズムへの抵抗。感情を持つほどに高度な知性を持つロボット、その動きから人間を人間たらしめている要素をリバース・エンジニアリングよろしく解析できるおもしろさ。
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【読書ログ】あなたの人生の物語【SFのすご味が詰まった一冊】
に公開語り手である"わたし"が、まだ生まれていない娘である"あなた"の人生を緻密に語るシーンから物語は始まる。なんと不思議な切り口。
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【読書ログ】渚にて【核戦争によって人類の終焉が約束された世界で守られるべき個人の尊厳とは】
に公開緩慢な死へのカウントダウンを前にして人類はどう生きるのか。それらの姿を見渡すことで浮き彫りになる個人の尊厳は、未だ終わることを知らない核への恐怖を前にしてもなお屹立としている。
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【読書ログ】三体【中国SFの名を世界に轟かせたのは、壮大なスケールで描かれる人類の存続をかけた戦い】
に公開アジア圏の作品として初のヒューゴー賞長篇部門(二〇一五年)に輝き、中国SFの名を世界的なものとした劉慈欣『三体』の三部作、その第一部がハヤカワ文庫SFより二〇二四年二月に文庫化された(第二部[黒暗森林]、第三部[死神永生]に関してはそれぞれ四月、六月と順次隔月刊行)。
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【読書ログ】息吹【当代最高のSF作家がおくる珠玉の短篇集】
に公開本書は、テッド・チャンの第一作品集『あなたの人生の物語』(原題:Stories of Your Life and Others)以来、十七年ぶりとなる作品集である。
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【読書ログ】紙の動物園【東洋の伝統を組んだマジックリアリズム】
に公開ジャンルと流行にとらわれない柔軟な発想力がなせる妙技にふれるとき、SFの深淵なる可能性を知ることができるだろう。
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【読書ログ】クラッシュ【暴力とテクノロジーが調和した「現実」から人間の本質をヒューリスティックに描き出す】
に公開生と死が融合し、終わりなき虚構が現実を支配する。共同主観的な——幾何学的デザインの美しさ——がテクノロジーを介して人々に受け入られる様は、かつて、文字や貨幣という形で人々の間に浸透していった虚構と、同等かそれ以上のパワーを内包して広がりを見せる。
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【読書ログ】マーダーボット・ダイアリー 上【自己嫌悪なアンドロイドは、人間の夢を見るか?】
に公開本作、『マーダーボット・ダイアリー』は、マーサ・ウェルズによってTor社より刊行された中長編作品である、システムの危殆(All Systems Red, 2017)、人工的なあり方(Artificial Condition, 2018)、暴走プロトコル(Rogue Protocol, 2018)、出口戦略の無謀(Exit Strategy, 2018)が、この通りの順番で上下巻にわたって収録されている。
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【読書ログ】ロボット・アップライジング【AIロボットの反乱にまつわる13の物語】
に公開本書は、この労働としてのロボットが本来のあるべき姿を逸脱して人類に反旗を翻したときの世界の様相を描いた13の話がまとめられている一冊だ。
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【読書ログ】星を継ぐもの【新版】【月面で発見された5万年前の死体を巡って、人類の起源に迫るハードSFミステリー】
に公開本作の魅力は、ミステリー、それ自体のジャンルに内包された娯楽性に加えて、問題解決へと至る過程で利用される科学技術の描写にもある。
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【読書ログ】何かが道をやってくる【新訳版】【虚構と現実が入り混じるブラッドベリ史上最高のダークファンタジー】
に公開永劫に込められた悲しさを知ると、われわれの生きる時間がどうして短くある必要があるのかがわかる。そんな一冊だ。
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【読書ログ】人類の知らない言葉【テレパシーを用いる異星種族の文化担当官殺害事件、その重要容疑者にされた通訳士が自ら捜査を始めるSFミステリー】
に公開2023年全米図書館協会RUSA賞SF部門の受賞作ではあるものの、執筆年代時点でのテクノロジー理解がベースとなっているので、SFそれ単体というジャンル区分よりSF「ミステリー」ものとしてストーリーに集中しやすい作品である。
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【読書ログ】ウは宇宙船のウ【おとなだからこそ読みたい、物を考えさせる叙情の達人ブラッドベリの珠玉の短編集】
に公開子どものような無邪気さでもって、テクノロジーというフィルターを介して見える世界の常識が再構成されていく。
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【読書ログ】円【芸術と科学の融合が織りなす「美」が詰まった中国SFの至宝・劉慈欣の短編集】
に公開総ページ数が500オーバーと割と厚めな本ではあるが、時間を忘れて読むことができる良書。
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【読書ログ】スローターハウス5【兵士を戦場に送る社会とそれがもたらす影響を理解するために】
に公開本書は、カート・ヴォネガット・ジュニアの戦時中の体験を元にした半自伝的な小説である。