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【読書ログ】涼宮ハルヒの憂鬱【非日常という名の日常】

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涼宮ハルヒの憂鬱

『トップをねらえ!』『エヴァンゲリオン』から見出されるような、メディアミックス成功テンプレートである、美少女キャラ×ロボット×SFという組み合わせならぬ、美少女キャラ×巨人×SFのエッセンスをふんだんに詰め込んだ本作。

そんな本作を支える骨組みはまさしく、日常生活へと潜む非日常への渇望である。人々の心へと巣食う中二病心への憧憬といってもいいかもしれない。それは、リアリティに生きる人々には到底もぎとることのできない禁断の果実。一口かじるごとにより「虚構」がリアリティへと侵食してゆく危険な代物。ただ、それを求めずにいられないのは人の業か。

文章のはしばしからほとばしる理想的な世界へのあこがれとあきらめ、しかして、突如舞い降りるSF要素からの大円団。

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、非日常includes日常というクエリがあたりまえの/リアリティが「虚構」へとリンクしていく/非日常が日常へと侵食する/非日常を脱構築する/ような、そんな本作の力をぜひ味わってほしい。



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