目次
第1章 いまさら聞けない『聖書』とは
第2章 『旧約聖書』を読んでみよう
第3章 『新約聖書』を読んでみよう
第4章 世界に広がるキリスト教
第5章 キリスト教の分裂―正教会の成立
第6章 ローマ教皇の権威確立
第7章 イスラム世界との対立招く十字軍
第8章 キリスト教の再度の分裂―宗教改革
第9章 福音派が大きな影響力を持つ米社会
『聖書』はキリスト教の正典であり、2022年では世界中で3550万冊以上出版されている(日本では8万7000冊)(参考)。また、世界一発行されている本としてギネスに登録されている。それゆえ、教養として『聖書』を知っておくことは、世界の根幹をなしている部分を知ることにもつながる。「バベルの塔」や「モーセの十戒」といった『聖書』の基礎的な素養を元にして文学や映画が作られていくのも、そのテーマの根強さを物語っているのであろう。
『聖書』を通じて、世界とリンクしていく感覚というべきか。これを読み込めば読み込むほど、世界情勢に対する解像度が上がっていく気がする。それくらい、『聖書』に秘められた魅力というものは計り知れない。
本書の著者が池上彰さんなので、全体的にかなり「わかりやすい」説明に終始している。要点がシンプルに収まっているのだ。もちろん、こういった「通俗化」による代償はつきものなので、自分で『聖書』をしっかり読み込む必要はある。ただ、本書はそのモチベーションをめちゃくちゃ上げてくれるので必見。