余命3000文字

本書は、まさしく、読むアート作品です。

言葉が踊っています。物を触れた時に感じるような質感をイメージとして捉えることができます。形而上学的なものを形而下に落とし込むスキルがすごいです。かつての天才たちは事象をイメージとして観測することができたと言いますが、まさしくその部類です。同じものを書けと言われても、絶対に書けません。くやしいです。

ただただ一切の思慮を捨ててしまって妄想や邪念が、霊智をくもらすことのないようにしておくばかりだ。すなわちいわゆる明鏡止水のように、心を磨き澄ましておくばかりだ。  勝海舟『氷川清話』

論理を超えた先の景色は、こういう明鏡止水の境地に至るのではないでしょうか。と、考えてみたり。

ゆめゆめ、お前には才能がないと思わされた。そんな一冊でした。

嫉妬。大いに嫉妬。

作者: 村崎 羯諦
小学館

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