ヒトラーとナチ・ドイツ

レイシストであるヒトラーが首相まで至る経緯、議会制民主主義→独裁体制、そして、ユダヤ人迫害→ホロコーストへと至る道。ヒトラーをヒトラーたらしめるエッセンスを知る上で最適な一冊。

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本書目次

第一章 ヒトラーの登場
第二章 ナチ党の台頭
第三章 ヒトラー政権の成立
第四章 ナチ体制の確立
第五章 ナチ体制下の内政と外交
第六章 レイシズムとユダヤ人迫害
第七章 ホロコーストと絶滅戦争

大衆を焚きつけるためには、専門家の議論を卑近な言葉づかいに置き換えることが必要だ。そうしてこそ、言葉は政治的武器となる。   ——(p. 74)

まさしく、某動画サイトで専門家が「わかりやすい言葉で」意見陳述する動画再生数が、既に論文等で記述された「おかたい」媒体での閲覧数を上回っていることから察すれるに、現状の世相にも顕著に反映されている例である。その点、ヒトラーのカリスマ性は群を抜いており、それ故、カリスマ性の限界へのプロパガンダもすさまじい。

「ドイツ国民よ。おまえがひとつになれれば、おまえは強くなれる」   ——(p. 215)

当然、「言論統制」、「安楽死殺害政策」や「ホロコースト」など非人道的な行動は唾棄すべき認識ではあるが、もし自分が似たような境遇で生まれ落ちた場合、ゼノフォビアに汚染されていたと思うと、高揚感に包まれているのかもしれないという悲しみもある......

とにもかくにも、言論の自由が確保された現代に生まれてこれたことは幸運だ。

作者: 石田 勇治
講談社

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