「考える頭」のつくり方

スマートフォンを開けばいくらでも有益な情報手に入れられるようになった昨今、課題解決の現場においては「考える」ことよりも「調べる」ことの方が優先度が高まっています。

「人間ができること、人間がやり方を知っていることなら何でも、コンピューターのほうが上手にできる」

——ガルリ・カスパロフ

1997年にIBMのスーパーコンピューター、ディープブルーがチェス世界チャンピオンのガルリ・カスパロフを破ったように、過去の事例からパターンを把握する手法はコンピュータの方が人間よりも優れているのは確かです。

しかしながら現実問題として、複数のパターンが複雑に組み合わさった課題に出くわしたとき、「調べる」という戦術だけでは乗り越えることは難しいでしょう。

本書は、この複雑に絡み合った諸問題を「考える」ことで解決する方法、いわば、戦略を立てて乗り越える方法が載っています。

本書のテーマをざっくり述べると、

「経験は最良の教師である。ただし授業料が高すぎる。」

イギリスの思想家:トーマス・カーライルの言葉に集約されるでしょう。

外山滋比古先生には『思考の整理学』でもお世話になったのですが、卑近な言葉でものごとの核心をつく技術が素晴らしいなぁと改めて思わされた一冊でした。

本書目次

1 自分の頭で考える力―答えをいくつ出せるか(知識から思考へ;無菌のマウス;流氷と伏流水 ほか)
2 頭を整理する力―思考しやすくするために(頭の掃除;忘却のすすめ;スポーツの効果 ほか)
3 直観的思考力―マイナスだから強くなれる(こどものすごい能力;天賦の才;知識のジレンマ ほか)

第Ⅰ部では、新しい発想をだして、いろいろなことに挑戦していることが大事だということを述べています。

自分で考える場合かならず一つの答えに到着するとは限らないし、途中で失敗することもありますが、紆余曲折を経て最後に偶然出た答えが発見や発明につながったりするということは想像しやすいと思います。

第Ⅱ部では、自分の頭で考えるために大事な環境づくりについて述べられています。

例えば、だれにも邪魔をされない朝方に時間を作ることや、散歩をすること。

第Ⅲ部では、知識を詰め込むことだけでは得られない、失敗という経験を積むことによって、人間は成長できることは再度述べています。

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知識より知恵のほうが大事だということが改めて分かりました。

頭でっかちにならずに行動&行動。

作者: 外山滋比古
PHP研究所

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