生成AIで世界はこう変わる

1956年に開催されたダートマス会議で初めてAI(Artificial Intelligence)という用語が使われてから半世紀以上が経過した現在、AIを使った技術は、冷蔵庫や電子レンジ、さらには、最先端の医療やロボットなどいたるところで活用されるようになった。広範囲、かつ潜在的にその影響が広がった結果、AIの存在を意識せずともその恩恵を日常的に得ることができるようになったわけだけれども、生成AIという脅威的なAIの登場によって、AIの存在を無視できなくなったことは確かであろう。

本書は、そんな生成AIのもたらす影響力を味わうことができる一冊だ。生成AIとはなんなのか、から始まり、その技術がもたらす影響と、わたしたちの未来の姿についての概観がまとまっている。むつかしい数式が一切なくめちゃんこ読みやすいので、生成AIについてまったく前知識がなくても無問題。本書を介して、AIと人間の関わり方について考える重要性を知れる。

本書目次

第1章 「生成AI革命」という歴史の転換点―生成AIは人類の脅威か?救世主か?
第2章 生成AIの背後にある技術―塗り替わるテクノロジーの現在地とは?
第3章 AIによって消える仕事・残る仕事―生成AIを労働の味方にするには?
第4章 AIが問い直す「創作」の価値―生成AIは創作ツールか?創作者か?
第5章 生成AIとともに歩む人類の未来―「言語の獲得」以来の革新になるか?
特別対談 松尾豊×今井翔太―生成AI時代に求められるスキルとマインドとは?

各章がそれぞれ独立しているので、気になる部分だけピックアップして読めるのは嬉しい配慮。個人的には、人間の知能の相対化によってメタ認知が進むっていう部分(p. 230)が、SF的なおもしろさがあって好きだったりする。

作者: 今井翔太
SBクリエイティブ

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