本書は、偉人の成功の裏にある失敗の数々が豊富な絵と全漢字ふりがなつきの文章でリストアップされており、子供から大人でも楽しく学べる作りとなっております。
本書目次
VOL.1 ライト兄弟 成功にしがみつく 失敗
VOL.2 二宮尊徳 にげ出す 失敗
VOL.3 ココ・シャネル 「イケてない」と言われる 失敗
VOL.4 ダリ 天才ゆえに死にかける 失敗
VOL.5 ベーブ・ルース グレる 失敗
特集1 プチ失敗図鑑
VOL.6 夏目漱石 引きこもる 失敗
VOL.7 フロイト 人の意見が聞けない 失敗
VOL.8 与謝野晶子 正直すぎて炎上した 失敗
VOL.9 ベートーヴェン 「助けてくれ」と言えない 失敗
VOL.10 スティーブ・ジョブズ いばしょを失う 失敗
VOL.11 手塚治虫 悪口を言う 失敗
特集2 失敗相談室その1
VOL.12 アインシュタイン 得意なこと以外、まるでダメ 失敗
VOL.13 オードリー・ヘプバーン コンプレックスをかかえる 失敗
VOL.14 孔子 理想が高すぎる 失敗
VOL.15 ノーベル ナイーブすぎた 失敗
VOL.16 ドストエフスキー ギャンブルにハマる 失敗
特集3 失敗相談室その2
VOL.17 ピカソ 新しすぎた 失敗
VOL.18 野口英世 調子にのる 失敗
VOL.19 黒澤明 こだわりすぎる 失敗
VOL.20 ダーウィン 親の期待をうらぎる 失敗
特集4 デカすぎる失敗
VOL.21 マッカーサー 相手をバカにする 失敗
VOL.22 ウォルト・ディズニー ナメられる 失敗
VOL.23 カーネル・サンダース いろいろ 失敗
VOL.24 お父さん・お母さん 愛しすぎる 失敗
基本構成は、成功エピソードを述べたのち、そこに付随する失敗エピソードを挙げ、そして、その失敗エピソードがあったからこそ成功エピソードが生まれたということを筆者の言葉とともに描くフィードバック形式となっています。また、セクションの合間合間に失敗相談室という形で身近な失敗例を挙げることで、実生活レベルで適用できる学びを得やすいつくりになっているのが本書の魅力です。
どの失敗エピソードにも共通して言えることは、失敗している回数分だけチャレンジしているということでしょう。下学上達という言葉のように、どんなことでも一つ一つを着実に自分のものとして消化していけば成長していくことができるんだという学びを得ることができます。
個人的には、こういったタイプ読み物——岩波ジュニアとか、ちくまブリマーみたいな本——を導線として学術に対するすそ野を広げていこうという試みは、小さい頃はいまいち凄さがわかりませんでしたが、大人になったいまだからこそめちゃくちゃ面白くもあるし、知識欲を再燃させてくれる良書でした。