夢迷さんが谷崎潤一郎作品を読んでいたのに感化されて、私も久々にがっつり重厚な本を読んでみます。
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退廃的な空気感の中に垣間見える、ひとさじの美。
太宰治の著作は、どれも、人間の真にせまる何かを訴えかけてくる。
破滅へとつながる道に対する美学は正直よくわからないけど、自分の中にいやな感覚が侵食してくるのは不可避。
気を抜いたら漆黒の潮に同調してしまいそうなほどの言葉の応酬と、それにまとわりつく重厚な設定。
また、生への渇きも見れるし、自意識への疑いも感じられるし、読めば読むほどいろんな視点から見れるのは、彼の著作の素晴らしい側面だと思う。
いつまでも語り継がれるべき、究極の一冊。