タグ: 日本文学
"日本文学"タグのついた投稿一覧です。
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【読書ログ】わたしたちは銀のフォークと薬を手にして【なんだかんだで、なんとかなる】
に公開恋愛の葛藤と病が交錯する島本理生の代表作。登場人物同士の対立や受け入れの物語を詩的かつ優しく描き出す一冊。
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【読書ログ】余命3000文字【なんこれ、すげぇ本】
に公開常識の枠を突き破る奇抜さとユーモア。村崎羯諦『余命3000文字』が見せる短編の世界観。
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【読書ログ】真夜中の底で君を待つ【運命を切り開く、言葉で、自らの手で。】
に公開言葉の力、優しい人の痛み、そして自分自身への信頼を取り戻す軌跡。汐見夏衛『真夜中の底で君を待つ』。
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【読書ログ】ハーモニー新版【me a meaningless world】
に公開前作『虐殺器官』とは正反対の優しい世界、規範への反逆と女の子たちの物語。「言葉には人を殺す力が宿る」世界観を描いた一冊。
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【読書ログ】人間【ありきたりな生き方に疑問を抱く人間に処方する精神安定剤】
に公開無意味な生き方も人間でい続けられるという実在性を受容する一冊。又吉直樹の苦悩と共鳴し、救われる物語。
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【読書ログ】虐殺器官新版【混沌とした世界に、身勝手な安寧を】
に公開一人称構成による「虐殺」文法と「世界精神型」の悪役、抽象的事実の錯誤を軸に、現実への問いと感受性の高さを描き切った傑作。
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【読書ログ】なめらかな世界と、その敵【SF世界の臨界点】
に公開目まぐるしく変遷する世界観、並行世界・AI・時間遡行・パラドクスに挑むSF短編集。情熱的なSF愛の根源に触れる一冊。
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【読書ログ】同潤会代官山アパートメント【壮大な家族愛の物語】
に公開代官山アパートに住んだ家族たちの年代記。単なる団欒ではなく喪失や空虚感、変化への対応も描く温かな物語。
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【読書ログ】女のいない男たち【ただ祈る姿をはたから見つめていることが、僕にとっての男たちへの追悼】
に公開女が離れた男たちへの追悼と、村上春樹の短編小説観を「まえがき」と共に描く。短編集コンセプトアルバムとしての機知を凝縮した一冊。
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【読書ログ】『ニューヨーク・タイムズ』のドナルド・キーン【レビューのいろはを知れた一冊】
に公開ドナルド・キーンによる27編のエッセイからレビューの心得を学べる一冊。批判・賛美のバランス、人格攻撃を避ける姿勢、意見の違いを思いやる精神を描写。
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【読書ログ】ジェノサイド【新人類への適応】
に公開読めば読むほど引き込まれていく作品。主人公の創薬への姿勢変化と新人類への態度を描きながら、新人類への適応を問い直す一冊。
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【読書ログ】眼球綺譚【「魂の在り方」を考えさせられた一冊】
に公開目を背けたくなるほどの狂気、胃の奥底からこみあげてくる酸っぱいものを我慢して読み進める。
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【読書ログ】同志少女よ、敵を撃て【明鏡止水へと至る径を辿れる一冊】
に公開戦争を主体とするテーマを取り扱う場合、人々の関心が戦果を上げた『英雄』へと注がれるのは想像にかたくないでしょう。いかに彼/彼女が勇猛果敢で智略縦横に戦場を駆け巡り、そして、戦果を収めることができたのか。それらの歴史からは現代にも通ずる知恵や、勇気を見出すことができるからです。
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【読書ブログ】エロ/グロ/バイオレンスの境地——『妖魔王』
に公開本作は、妖魔に恋人を殺された主人公・工藤明彦が、"念法"と木刀"阿修羅"を駆使して、妖魔との戦いに身を投じる妖魔シリーズの一つです。中でも、「因幡の白兎」の物語をモチーフとした構成となっている本作は、その物語を知っている人からすると、現代に上手く適用してドラマチックに表現されていることが分かり、ひと粒で二度美味しい作りとなっています。
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【読書ログ】教えたくなる名短篇【人に勧めたくなる短編集】
に公開13作の名短編が感情のうねりを中和しまとめる一冊。読み手・書き手とも心に残る、日常にも応用できる表現力に溢れる本。
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【読書ログ】空の境界(上)【紡ぎだすは二面性の影】
に公開新伝綺の旗印として確固たる地位を築いている本作。無機、有機問わず、「活きている」ものの死の要因を読み取り、干渉可能な現象として視認する能力である「直死の魔眼」や「魔術」など、出てくる用語もさることながら、言葉遣いがやたらかっこいいのである。
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【読書ログ】ジョゼと虎と魚たち【恋愛小説の金字塔】
に公開本作は、第50回芥川賞を受賞した田辺聖子さんの恋愛短編集であり、表題の『ジョゼと虎と魚たち』(以降、『ジョゼ』と呼称)は、2020年の12月25日に、アニメ映画としても公開されています。田辺聖子さんならではの方言文学の粋をつめた本作は、恋愛小説の金字塔として現代でも読まれるべき至高の一冊です。